会社名 紫金鉱業集団股份有限公司(Zijin Mining Group Co., Ltd. / 紫金矿业 / 紫金砿業)
設立 2000年(ただし母体や前身会社の活動を含む歴史が長い)
本社所在地 中国・福建省・上杭県(Longyan, Fujian)
上場市場 上海A株(コード:601899)および香港H株(コード:02899)
主な事業領域 鉱業探査 → 採掘 → 鉱物処理 → 製錬 → 販売、及び関連取引(輸出入、環境保護サービス等)
主な取扱金属・鉱物 金(Gold)、銅(Copper)、亜鉛(Zinc)、鉛、銀、鉄、モリブデン、タングステン、リチウム等
資源規模/生産実績 2023年時点で、探明・制御含む権益資源保有量として、銅 7,455.65 万トン、金 2,997.53 トン、亜鉛・鉛 1,067.77 万トン、銀 14,739.29 トン、リチウム資源 1,346.59 万トン(当量)
同年の生産実績:鉱産銅 100.73 万トン、鉱産金 67.73 トン、鉱産亜鉛・鉛 46.70 万トン、鉱産銀 412 トンなど(前年比で各種金属が増加)
従業員数 約 55,000 人
経営特徴・強み
– 探査~採掘~精錬まで垂直統合型の鉱業モデル
– M&A による資産拡充力が高いと評価される点
– ESG・環境対応も重視(温室効果ガス排出強度の削減報告等)
以下、近年および直近で注目すべき動向
利益拡大・決算動向 2025年上半期における純利益は、親会社株主帰属で 232.9 億元に達し、前年同期比で 54.41 % 増加 と報じられています。
IPO・スピンオフ戦略 子会社である 紫金黄金国際(Zijin Gold International, HKG:2259) の IPO を香港で実施予定。2025年9月29日から取引開始見込みとの報道。企業価値見込みは 241 億ドル規模とされる。
銅・金価格との連動性 金・銅など金属価格が上昇する局面では業績モメンタムが強まる傾向。金価格上昇が追い風との見方も報じられている。
規制・貿易リスク 米国の銅製品への関税政策等、世界の貿易政策変動が鉱業セクターに影響を与えるとの見方。2025年7月には、米国が半製品銅に 50 % の関税をかける可能性を示唆する報道もあった。
資源拡大・非伝統鉱種への参入 リチウム資源の拡大にも注力。中国企業全体の動向として、鉱物資源獲得競争において中国企業が優勢との指摘(リチウム、ニッケル、コバルト分野で拡大)
リスク・トラブル
– 2023年には、同社の子会社(南米コロンビアの金鉱区)で爆発・銃撃などの暴力事件が発生。安全・治安リスクが浮上。
– 過去には環境汚染事故(銅湿法工場の排水漏出、尾鉱庫決壊など)も起きており、環境リスクの管理は常に注目点。
鉱業セクターは素材価格の変動(特に金・銅・リチウムなど)に依存度が高く、商品市況の変化が収益へ直結する。
IPO やスピンオフ戦略は資金調達と資産整理の意図を持つ可能性が高く、評価次第で株価に大きなインパクトを与える。
中国国内および海外の鉱業政策、環境規制、地政学リスク(特に南米・アフリカ地域)への対応が鍵。
ESG 投資家の視点から環境/安全/ガバナンス対応が評価されやすく、過去の事故歴をクリアにしていく必要がある。
中長期的には、非鉄金属・電池素材(リチウム等)分野での展開が成長する可能性。